奄美大島の「NPO法人ねりやかなやレジデンス」が新規オープンした「MATCHゲストハウス」の内覧に参加させていただいたのでレビューいたします。
どの離島でも共通して問題となっている「空き家」「空き地」の課題を、地域に密着した一番難しくて、一番大事な方法で解決しようとしているように見えました。
MATCHのゲストハウスとしての機能。地域密着型である点が他社では真似できない。
MATCHゲストハウスは、移住準備のための拠点として機能しそうです。アイランデクスも課題に感じているのが、移住後の定住率。島に馴染めず離脱してしまう人も多く、せっかく一大決心して移住したのに、また内地に戻るという選択されています。
まずは地域に中長期滞在で馴染んでみる
島からの離脱を減らすための解決策の一つは、中長期に一度お試しで移住してみることでしょう。すでにねりやかなさんが取り組んできた方法で、地元に愛される雰囲気は、ねりやかなやの山腰さんや佐藤さんがこれまで作り上げてきた信頼に寄るところが大きいです。
これから同じように地域に馴染むようなゲストハウスを作るのは、他社では真似できない。龍郷(たつごう)地区と、地域は限定されますが、島の濃い文化が残っている地域なので、まず奄美に自分がマッチしているのか、龍郷にマッチしているのかをのんびり判断するにはよい拠点として機能しそうです。
会員限定。しま暮らし体験は借りる人も選別。
今風にいうと、オンラインサロンと言うのでしょうか。会員限定宿になります。一歩進んで、島に興味ある人や地域に興味がある人だけが泊まれる仕組みになっています。
地域にとっても誰でも良いと言うわけでありません。
お互いのマッチングのために、会員限定の仕組みが機能していきそうです。
そして税込800万円でマイハウスをもてる規格住宅は、モデルハウスとしても機能。
島の隠れた課題として、「値段があってないようなもの」という点です。どの建築会社も、知り合いを辿れば親族や友人だったりする狭い文化なので、お世話になっている方の紹介の建築会社だと、少し高いと思っても断るのが難しいですし、人間関係で値段が変わることも多々あります。その建築の質も思った通りのものができるかは、、、意思疎通がうまくできていないケースが多いようです。
そんな中、あえて、規格住宅という選択をすることで、上物建築で税込800万円用意すれば、新築でまったく同じものが完成するというのは画期的だと思います。中古のボロボロの一軒家だと、300~400万円で取得してもかなり使用に絶えないボロ物件が多く、シロアリや台風対策などのひと通りの修繕だけでも300~500万円はかかることがザラです。事前の不動産調査をしてくれない売り手側のオーナーも多く、購入してから中を開けてみたら、修繕に数百万円かかったということはよくあることだと思います。
ねりやかなやの山腰さんによると、規格住宅の選択肢として「コンテナハウス」も検討したとのことですが、耐用や実際の長期利用を考えた時に実用的ではなく、却って費用がかかってしまうというのが結論だったみたいです。
「島暮らし体験ハウス なかほ」もあります。
ねりやかなやさんは、すでに「しま暮らし体験ハウス なかほ」でも実績を積んでいるようです。
市街地の喧騒から離れた戸口という地域で、ゆっくりと集落に馴染んていく体験ができそうです。今回、当社は1泊だけお試しに泊まらせていただきました。
味のある焼き文字看板がお出迎え。
奥には機織り機。これで「大島紬(おおしまつむぎ)」を織って、大家さんは育てられたそうです。
サンゴ礁で「なかほ」
島への移住に欠かせない地域とのマッチング。
NPO法人ねりやかなやレジデンス様のこれからも取り組みも要チェックです。
■NPO法人ねりやかなやレジデンス様のMATCHのWEBサイトはこちら
■「なかほ」の WEBサイトはこちら