アイランドカンパニーの山下賢太さんに、アイランデクスの社内向けにご講演を賜りました!
山下賢太さんといえば、鹿児島県の離島・甑島(こしきじま)をメインフィールドに、離島の集落を守るために事業を展開されいてることで有名で、最近では、鹿児島離島だけでなく、沖縄離島や伊豆諸島など全国の離島地域からお呼びがかかる人気の経営者です。かねてからアイランデクスの私・池田のことも、後輩として可愛がっていただいていて、あらゆる場面で事業の相談に乗っていただいていました。そんな賢太さんに、社内向けに講演いただける貴重な機会を得まして、アイランドカンパニーの取り組みや、その裏にある大切にすべき考え方をシェアいただきました。
アイランドカンパニー社の取り組みと、大切にする考え方のヒント(一部掲載)
東シナ海の小さな島ブランド株式会社(通称:アイランドカンパニー)での活動を軸にして、さまざまな活動を広げる賢太さん。その創業ストーリーと、その中で大切にしてきた考え方を共有いただきました。
強烈な原体験「アコウの下で集う、その風景がなくなってしまった」
「集落の集い場となっていた、アコウの樹が切られてしまった。しかもそれに従事せざるを得なかったのは、自分の父だった。」そんな原体験が賢太さんの行動の起点にあるとお伺いしました。集落にとって大切な場所であることはみんなわかっていても、それでも工事せざるを得なかった。その理由を模索して、島の産業構造への疑問を投げかけるような挑戦的な事業を続けています。
最初に取り組んだのは、風景(プロセス)を販売する米作り。
島にのこしたい日常の風景の中で、まず思い当たったのが、「米作り」。それまで、米作りをしている人はいても、基本的に自給用で、販売する人はいない。市場がない。そこで思い立ったのが、米作りの日々や、島民同士の交流をブログなどに掲載し、米作りの風景を感じるプロセスを付加価値とした「島米」という米の販売を、山下商店として始めたそうです。2011年のことで、今でこそSNSで日々の日常を発信したり、クラファンを募ったりする、ファンマーケティングは市民権を得ましたが、13年も前から先進的な取り組みを甑島で始めてらっしゃいました。
残したい島の風景は、「豆腐屋」だった。
その後2012年に、法人化して始めたのは、「豆腐屋」という尖がりよう。朝6時にラッパがなって、豆腐売りに群がる集落の風景こそ残したいと、わざわざ豆腐屋として修行して、「豆腐」と「その風景」を主商品とする「山下商店(実店舗)」をオープン。豆腐を販売するだけじゃなく、ついでに家の電気も交換してあげる。以降、アイランドカンパニーの事業は、集落との関わりしろを大切にするサービスを続々と育てていきます。
などなど、事業に対する使命感の強さが伝わる、とても協力な逸話のオンパレードで、オンライン会議の熱量が上がっていきました。
パワフルに事業を進めるモチベーションは、「認められたい」から。
研修の最後には、質問タイムを設けさせていただきました。スタッフもみんな、言葉に熱をもっていて、よいQAの時間となりました。印象的だったのは、「甑島の枠にとどまらず全国の離島のことまでパワフルに事業を進めるモチベーション」を問う質問に対する回答で、その動機は「認められたい」ということでした。
その「認められたい」というのは、シマの仲間たちの想いを背負った言葉でした。自分自身が認められたいということだけじゃなく、シマの仲間たちが認められて報われてほしいという祈りの言葉のように感じました。
賢太さんから語られる金言の数々を少しでも吸収して、井の中の蛙が、井の中で大笑いしているような、大海の人たちがそれを羨んで覗き込んでくるような、そんな世界に向けてアイランデクスも前進していきたいと思います。
余談:激励の言葉も
アイランデクスのことはどう思っていますか、という質問には、島を想う仲間だと思っている、という心強い激励もいただきました。
実際、日々の業務は、派手さのない地味な業務が多かったり、泣きたいくらい大変なこともあります。それでも、離島のお客様に夢と希望を届けるような仕事は、我々にしかできないことだと思って、もし我々がいなくなったら、離島物流の体温が下がると思って、毎日できることを頑張っていきたいです。
※写真は、伊豆大島の裏砂漠で、一緒に朝日を見ながら缶コーヒーを飲んだときのもの。(撮影はTIMAいとーまん氏もしくはヒトカラメディア中川氏)前日深夜3時まで島のスナックで頑張った後、日の出前の朝5時半から砂漠を歩いたので、たいへん眠そう。