離島引越し便ブログ

アイランダー2023に参加|「離島の家の借り方口頭アンケート」の実施

離島の祭典アイランダーが、池袋にて11/18,19と開催され、アイランデクスのメンバーも参加してきました。そこで、ただ参加して、離島の皆様と再会を楽しんだだけでなく、「離島の家の借り方アンケート」を聞き取り調査により実施したのでご報告いたします。

アイランダーとは、、、
日本全国150を超える離島が参加する、「島と都市」、「島と島」をつなぐ交流イベントです。
今年で31回目を迎え、島の魅力を体験できる年に一度の「島の祭典」として親しまれています。
島の人・文化・食といった、島の魅力を感じられるアイランダーへぜひお越しください!
https://www.i-lander.com/2023/

アイランダーでは、たくさんの方々と再会できました。1年ぶり会う島々の事業者さんや、キープレイヤーたち。アイランデクスの離島引越し便で引越したんですよ!ってお声も、3、4人からいただいて嬉しい思いをすることができました。

「離島の家の借り方アンケート」を実施しました

今回、移住の入り口を担う引越し会社として、引越しの手前で発生する「家の借り方」に対する各島の動向を調査しました。18島(16エリア)の移住担当者からヒアリングすることができ、一定の知見を貯めることができました。

「家の借り方」アンケート実施の背景

どの島も家探しには、「信頼関係」と「運」しだいと言うものの本当にそうでしょうか。また、これまで100近い離島に引越し作業を行う中で、どの島も口を揃えて「家がないんです」とは言うものの、その深刻度は異なるように感じました。

「家の借り方」もツボを押さえたら、信頼関係や運以外にも大事にすべきファクターがあるんじゃないかという調査と、島々の最近の家の借り方動向を調査するためにアンケートを実施しました。

アンケートのハイライト

  • 北側(北海道、東北)の離島ほど、空き家の「売買」により、”空き家を手放してしまいたい”という思いが強いように感じた。数ヶ月通って島に信頼関係さえ築けたら、家が譲ってもらえるじゃない?という楽天的な自信も感じた。
  • 一方で、南側(鹿児島以南)の離島では、「売買」を行うことが非常に難易度が高く、行政が間に入って代わりに借り上げてもらったり、定期賃貸借により期限付きで借りたりと、南側では空き家の借り方は「賃貸」が優勢のように見えた。
  • 空き家バンクを使いこなせている自治体は非常に少ない。最初の段階である「空き家」を空き家バンクに登録することのメリットの「啓蒙活動」が浅いためか、住民が空き家バンクを利用することに後ろ向きだったり、行政職員もそこに併合している島も散見した。
  • アンケートの中で「家探し難易度」が特に高いと判断したのが、奥尻島と中之島(トカラ)。奥尻島は、移住者が家を見つけるまでの成功事例も少なく、高い運と縁を求められそうに感じた。中之島は、移住希望者を他に島に斡旋するほど、そもそもの物件不足という課題があった。
  • 逆に「家探し難易度」が低いと判断したのが、佐渡島と壱岐島と上五島。佐渡島は、不動産会社も複数存在し、そもそも物件数が多い。壱岐島は、タチマチの活動が作り上げ来た空き家バンク活用の機運が高まっており、現実的な価格感で家を手に入れることができそうだ。上五島は、数年前まで家不足の課題を聞いていたのですが、行政主導で空き家探しと家づくりが進んでいるようで、住宅をしっかり準備してこのアイランダーに望んでいた。

アンケート結果

*家探し難易度は、数が大きいほど難解

島の名前担当者1Rの家賃相場一戸建ての家賃相場家探し難易度*家の借り方家の借り方のコツ家の借り方のコツを、さらに詳しく教えてください。
利尻島Sさん家がない家がない7空き家バンクがある, 人伝て,民間(NPO,一社含む)団体との関係を作る, 地元の店や宿で関係を作る, どうやって皆んな見つけてるんだろう。ツギノバと、てっちゃん会いに行く。とにかくキーマンと仲良くなる。賃貸より戸建てを貰う。ということが一般的。50万円くらい払って、手放したい人からもらう。
礼文島Yさん家がない家がない9空き家バンクがある, 人伝て民間(NPO,一社含む)団体との関係を作る,最近できた「袋間」に、移住窓口を集約したのでそちらにどうぞ。空き家バンクはあるけど1件くらいしか登録はない。
奥尻島Fさん家がない4~5万円10空き家バンクがある, 人伝て, 役場行政の担当者と関係を作るとにかく役場に関係をつくることから。
天売島焼尻島Uさん家がない家がない8空き家バンクがある, 人伝て,行政の担当者と関係を作る, 地元の店や宿で関係を作るまず住む通う、何者なのかわかってもらえたら家は出てくる。家は売買しかないが、認知されたらもらえるんじゃないか、という楽観的な空気もある。
佐渡島Dさん3~4万円6~8万円1不動産会社がある, 空き家バンクがある不動産情報をチェックする, 空き家バンクの更新をチェックする, 地元の店や宿で関係を作る不動産5社あり、家がないことはない。
空家バンクミスマッチ起きている。
斬地物と、水回りがそのままのために、入居初期にトラブルになることも。
伊豆大島Nさん3~4万円4~5万円5不動産会社がある, 空き家バンクがある, 人伝て不動産情報をチェックする, 行政の担当者と関係を作る不動産は1つ。行政の空き家担当と、シマラボ、土建屋さんに問い合わせて探したら、無いことはない。賃貸より売買。土地が安いから、売買が多い。
利島Nさん家がない家がない5人伝て行政の担当者と関係を作る基本的には先に仕事を決める。会社が、その人の家を抑えるって流れ。300人の島なので、行政に聞けば、情報はでてくる。
新島式根島Mさん家がない4~5万円7空き家バンクがある, 人伝て民間(NPO,一社含む)団体との関係を作るオイギーにて探す。なんども通う。一戸建ての賃貸が主。
柔軟さが新島の良さだけど、深くは追いかけてこないので、本当に移住したいなら、足げく通ったら出てくると思うし、私たちも頑張って探します。
神津島Yさん4~5万円4~5万円9空き家バンクがある, 人伝て行政の担当者と関係を作る, 民間(NPO,一社含む)団体との関係を作る家はないと聞く。高校生の離島留学でも、”くんじゃん”(内地の人)と差別されてたくらいには、最初は仲良くなり辛い。仲良くなったらすごく良くしてくれる島民性があると思う。
三宅島Oさん4~5万円6~8万円7不動産会社がある不動産情報をチェックする, 民間(NPO,一社含む)団体との関係を作る不動産会社がひとつある。元々7000人居たところが2300人くらいなので、家もなくは無いと思う。ポテンシャルがある。
福江島Tさん5~6万円6~8万円6不動産会社がある, 空き家バンクがある, 人伝て民間(NPO,一社含む)団体との関係を作る空き家バンクもよく動いてる。でも、実情は人伝て。
上五島Tさん家がない5~6万円4空き家バンクがある, 人伝て不動産情報をチェックする, 空き家バンクの更新をチェックする, 行政の担当者と関係を作る昨年くらいまで、家探しがかなり大変な印象だったが、行政が頑張っているようで、すでに5万円のキレイな空き家を紹介していたり、これから物件もできるらしく、移住者増加が見込まれた。可能性を感じる。
壱岐島Cさん4~5万円5~6万円3不動産会社がある, 空き家バンクがある, 人伝て空き家バンクの更新をチェックする, 民間(NPO,一社含む)団体との関係を作るタチマチの活動が活況、空き家利活用とコミュニティづくりでは一歩二歩先を行っている印象。みんな視察に行ったほうがいい。
ちえみさんなど建築のバックグラウンドの人が活動の中心にいるのがでかい。「ビジョンがないから、逆に続けられる。」というけど、かろやかに集落に尽くしておられて学ぶことが多そうだと感じた。

イエマチの活動(空き家バンク)は、勝本に拠点を移すなど、島を俯瞰した視点も素晴らしいと思いました。
大崎上島Sさん3~4万円5~6万円7空き家バンクがある, 人伝て空き家バンクの更新をチェックする, 民間(NPO,一社含む)団体との関係を作る空き家バンクはあるが売買中心。人伝てが基本だが、島で飲み友達ができたら、見つかりそうな雰囲気。家賃相場は若干あがって、5〜6マンくらい。
白石島Yさん家がない4~5万円6空き家バンクがある, 人伝て民間(NPO,一社含む)団体との関係を作る, 地元の店や宿で関係を作る人伝て。でも最近お金借りていなくなった人いたり、誰しもかれしもではない。
笠岡諸島しまづくり海社が主導
中之島
(トカラ列島)
Nさん家がない0-1万円10人伝て行政の担当者と関係を作る,民間(NPO,一社含む)団体との関係を作る家の数自体がそもそも無く、移住希望者が居ても、他の島を斡旋して断ってしまうことも。長年住んでる移住者でも、家を購入することは非常にハードルが高く、行政が借り上げて、それを賃貸する方式をとる。

アンケート考察

離島で家を借りるのに、「家がない」と言っても、その質感の違いを聞き取ることができました。北側では、空き家の「賃貸」より「売買」のほうが優勢だというのも、私とっては非常に意外なアンケート結果で、より深掘りしたいテーマとなりました。

移住者側が、空き家売買を加速させるためのコツとして、「残置物撤去」を申し出るという手がありそうに感じました。家の中の残置物は、多くはゴミですが、それでも、元家主にとっては、すべてが思い出の品で、なかなか撤去が進まないという感情的な実情に触れることができました。その残置物撤去も、第三者だからしがらみなく実施できる部分もあるように感じました。

私たちも、移住の入り口を担う引越し会社として、空き家の引き渡しが円満に進むようにも貢献していきたいと思います。

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