離島引越し便ブログ

式根島発!離島の引越し難を解消する新たな地域共助モデル 「ともにやる離島引越しプロジェクト」が始動

~島民による「離島引越し便サポーターズ」設立、繁忙期の教職員異動を円滑化~

この度、小規模離島が抱える深刻な「繁忙期の引越し課題」の解決を目指し、式根島(東京都新島村)において、産学連携による画期的なプロジェクト「ともにやる離島引越し」が実施されましたことをご報告いたします。本プロジェクトは、アイランデクス株式会社、東海汽船株式会社、今般設立された「式根島引越し便サポーターズ」、および式根島小中学校の4団体が緊密に連携し、実現に至りました。2023年度にTOKYO ISLANDHOOD with STARTUPS 」(スタートアップによる島しょ振興促進事業)に採択されたことがきっかけとなりました。

人口約470人の式根島では、島内に引越しに対応できる運送会社が存在せず、毎年3月末から4月の引越し繁忙期には、海運会社による輸送も後回しにせざるを得ない状況が常態化しておりました。特に、定期的な異動が発生する小中学校の教職員の引越しは、長年大きな課題となっておりました。

プロジェクトを進める中で明らかになったのは、引越し業者が不在の島において、異動する教職員が自ら1ヶ月もの時間をかけて荷物をコンテナに積み込むという実情でした。これは、教職員にとって大きな負担となるだけでなく、東海汽船株式会社にとってもコンテナの長期滞留による稼働率低下という課題を抱える要因となっていました。

この状況を打破するため、アイランデクス株式会社は、式根島で異動する教職員の引越し情報を一元的に取りまとめ、コンテナの滞留期間を最小限に抑える管理体制を構築し、東海汽船株式会社との提携を実現いたしました。

さらに、島内有志により結成された「式根島引越し便サポーターズ」のメンバーに対しては、事前に引越しの基礎スキルに関するレクチャーを実施し、最低限の引越し作業をサポートできる体制を整えました。本プロジェクトは、あくまで「引越しのサポーター(手伝ってくれる人)」という位置づけであり、教職員ご自身も引越し作業に「ともにやる」ことを前提としております。これにより、家財保険の補償範囲を限定しつつ、引越し会社が通常対応できない時期やエリアにおいても、個人で行うよりも大幅に負担を軽減した引越しを実現することを趣旨として、全ての異動教職員にご理解とご同意をいただきました。

その結果、本年3月末から4月上旬にかけて、合計11組の教職員の引越しを無事に完了いたしました。引越しを終えた先生方からは「例年と比べて格段に楽になった」という喜びの声が多数寄せられ、サポーターズのメンバーとの間に温かい交流も生まれています。

※「式根島引越し便サポーターズ」の役割について: 本サポーターズは、島内における引越し荷物の梱包準備および搬出入作業、そして地元の港湾会社との調整役を担っており、運送業務そのものは港湾会社に依頼する体制を構築しております。

本プロジェクト「ともにやる離島引越しプロジェクト」は、教職員の引越し負担軽減、東海汽船株式会社の輸送効率向上に加え、地域住民が主体的に関わることでコミュニティの活性化にも貢献いたしました。今後、この取り組みを小規模離島における持続可能な引越し支援モデルとして発展させ、他の離島への展開も視野に入れております。

離島のローカル船会社との連携や島民の協力体制の構築には、交渉や管理における特有の困難も伴いますが、島内にサポーターズが存在することで、柔軟な対応が可能になることが本プロジェクトの重要な鍵となっています。今後の展開に、ぜひご注目ください。

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